SMILEY SMILE (THE BEACH BOYS)

b0002910_11285186.jpgVarious Review vol. 22
「スマイリー・スマイル」 ザ・ビーチボーイズ
"SMILEY SMILE" THE BEACH BOYS

1967年発表作品
CAPITOL 9001
1964年、精神に変調をきたしたブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズ)は、ステージからのリタイアを宣言、ツアーは他のメンバーにまかせて自らはスタジオにこもり、偏執狂的なレコーディング作業に入る。
'66年5月に発表された"PET SOUNDS"は、ブライアンがビートルズの"RUBBER SOUL"に触発されて制作したポップス史上に残る名作である。
しかしキャピトル・レコードは、辛うじてチャートの10位に食い込んだ"PET SOUNDS"を失敗作と断罪し(サーフィン、夏、海、女の子といった、従来のヒット・ソングとはまったくかけ離れた作品となったのだ)、わずか2ヵ月後に過去のヒット・シングルを収めたベスト・アルバムをリリースし、"PET SOUNDS"に対する話題を踏み潰してしまったのだ。
ここから、キャピトルとブライアンとの間に長らく続く確執がはじまった。

'66年秋、当時ザ・バースなどのプロデュースを手がけていたテリー・メルチャーの紹介で、ヴァン・ダイク・パークスと出会ったブライアンは、バンド本体のツアー中、パークスと2人でスタジオにこもり、次回作"SMILE"のレコーディングに入る。
しかし、あまりに壮大になりすぎたレコーディングはブライアン自身にもコントロール不可能となった。
パークスの書くあまりにもドラッギーな詞はビーチ・ボーイズのメンバーたちにあからさまに拒絶され、結局パークスもブライアンの下を去った。
ブライアンの精神状態はますます酷くなり、"SMILE"はその完成を見ることなくお蔵入り。
ザ・フーの"LIFE HOUSE"とならぶロック史上に残る未発表作品となってしまったのだ。

"SMILEY SMILE"は、"SMILE"の制作を断念した傷心のブライアンをバンドのメンバーが支えてレコーディングされ、'67年9月にリリースされた。

右耳の聴力がほとんどないブライアンがこだわったモノラル・サウンド
かなりの曲がドラムレスで、バッキングも非常にシンプル。
このせいで、自然と意識はヴォーカル、コーラス・ワークに向く。
しかし"SMILE"から流用された5曲の中には、非常に凝ったつくりの"Good Vibrations"もあり、サウンド面でも楽しめる。
新作と"SMILE"の曲の肌触りがやや違う感じが否めないが、全体が柔らかい雰囲気に包まれていて不思議な統一感がある。

ブライアン(ビーチ・ボーイズ)が(レコードの上では)海辺から離れ、ビートルズのアメリカ侵攻を視野に入れながら制作した"PET SOUNDS""SMILEY SMILE"は皮肉なことに、セールスとしては必ずしも大成功とは言えなかった。
(評価されるようになったのはもっと後になってからの話)
音楽的には大成功だった自信作がファンからも歓迎されず、レコード会社からも冷たく扱われたこと。
そして"SMILE"の挫折。
ブライアンはさらに精神を病み、ドラッグに溺れ、その後長きにわたって廃人同様の生活を送る。
またグループにとっても、この2作が間接的に低迷の原因になってしまったのは不幸なことだ。

2004年の今年、復活したブライアンが、ツアー・バンドであるten-piece band(ワンダーミンツのメンバーが中心)とニューレコーディングした"SMILE"が発表されるそうだ。
いまだ陽の目を見ていないオリジナル"SMILE"に思いを馳せつつ聴いてみたい。
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by FHIROSE2 | 2004-08-14 12:09 | Music Man's music | Trackback | Comments(0)
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