DEEP PURPLE Ⅰ

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Various Review vol. 20
第1期ディープ・パープル DEEP PURPLE Ⅰ
「深い紫の影」 "SHADES OF DEEP PURPLE"(1968)
「詩人タリエシンの世界」 "BOOK OF TALIESYN"(1968)
「ディープ・パープルⅢ」 "DEEP PURPLE"(1969)

タイトルの「Ⅰ」はファースト・アルバムという意味ではない。
元エピソード・シックスイアン・ギランロジャー・グローヴァーを迎え、ハードロック史上に残る名作"IN ROCK"(1970)を発表。
ブラック・サバスとならんで'70年代のブリティッシュHRのアイコンとなったディープ・パープルが、その黄金期を築く前、俗に第1期といわれる顔ぶれで創った3枚のアルバムのことを(店主なりに)表現したものだ。

もともとは、元サーチャーズのクリス・カーティスが音頭を取って結成されたが、リハーサル中にほんの短時間外出したカーティスの目を盗んで、他のメンバーがイアン・ペイスのオーディションを行い、ジョン・ロード(Key)、リッチー・ブラックモア(G)、イアン・ペイス(Ds)、ニック・シンパー(B)、ロッド・エヴァンス(Vo)という第1期のラインナップが揃った。

後にHRバンドとして大成功を収めたため、この5人が残した3枚のアルバムは、(少なくともそれほどパープルに思い入れのないファンにとっては)ブレイク前の準備期間的な捉えられ方をされがちである。
しかし、後に勝ち取る名声にはおよばないものの、アメリカ市場ではいくつかのシングル・ヒットも放ち、(それが彼らにとって栄誉だったかどうかは別として)「イギリスのヴァニラ・ファッジ」と称された第1期の音楽性は、あえて第2期以降のパープルと切り離し、独自のバンドとして観察した場合にはじめてその価値が見えてくる。

イギリスのグループでありながら、1968年にアメリカのインディ・レーベルテトラグラマトン・レコードからデビューした彼らは、当初からアメリカン・マーケットを強く意識した音作りをしていた。
それが前述したアメリカの大人気グループであるヴァニラ・ファッジ的サイケデリック・ポップという形で結実し、ファースト・アルバム"SHADES OF DEEP PURPLE"からシングル・カットされたジョー・サウス作の"Hush"は全米チャートの4位にまで上がる大ヒット。
(初期のアメリカ公演中、ヴァニラ・ファッジのメンバーに演奏をほめられた時、あのリッチー・ブラックモアが「君たちの真似をしているだけだ」謙遜(!)したとか。)
またこのファーストアルバムには"Hush"のほか、クリームも採り上げたスキップ・ジェイムス"I'm So Glad"ビートルズのロックン・ロール・ナンバー"Help!"のバラード・カヴァー、ジミ・ヘンドリクスも演奏したビリー・ロバーツ作の"Hey Joe"等、秀逸なカヴァー・ヴァージョンが収められている。

セカンドアルバムは邦題「詩人タリエシンの世界」(1曲目の歌詞に登場するのをよく聴いていると、「タリエシン」ではなく、「タレズン」と発音するのが正しいらしいが)なる邦題がつき、印象的なジャケット・アートが目を引く。
霧の中をさまようようなにじんだ音像で幻想的な雰囲気を演出していたファーストに比べ、このセカンド・アルバムでは一挙に視界が開けたようなクリアーかつソリッドな音作りが印象的。
極限までハード・エッジなギター、ドラムの音に、太い重低音ベース、クルクル回る感じのオルガン、無理にシャウトしない甘いボーカルが非常によくマッチしていて、クリアーながら幻想的な世界を展開する。
前作に続いて、ニール・ダイアモンド"Kentucky Woman"をヒットさせたほか、ビートルズの"We Can Work It Out"アイク&ティナ・ターナー"River Deep, Mountain High"(イントロに「ツァラトゥストラはかく語りき」のメロディを盛り込んだ荘厳すぎるアレンジ)を採り上げている。
また、第2期のステージでも演奏されたハード・ブギーのインストゥルメンタル・ナンバー"Hard Road"(後に"Wring That Neck"に改題)を収録。

不気味でシュールなボッシュの絵をジャケットに使った3作目は、ジョン・ロードのクラシック嗜好を軸に据えたアルバムで、アルバムの最後を飾る"April"は少数編成ながらオーケストラと競演した3部構成の組曲。
またA-2"Blind"ではチェンバロを使用しており、この曲と"April"だけ聴くとまるでプログレ・バンドのようだ。
しかし、他のメンバーもそれなりに自己主張をしており、イアン・ペイスのアフリカン・テイストあふれるパーカッションを盛り込んだ"Chasing Shadows"、ロッド・エヴァンスがバラード・シンガーとしての魅力を存分に聴かせるドノヴァン作の"Lalena"等、バラエティにとんだ作品群だ。

結局、このアルバムを最後にバンドはエヴァンスシンパーを解雇。
冒頭で述べた新メンバー2人の加入、ロイヤルフィル・ハーモニック・オーケストラとの競演を経て、レコード会社をワーナー・ブラザースに移籍。
ここで名刺代わりの一発"IN ROCK"を世に送り出し、一気にHRシーンのトップ・ランナーに躍り出る。
以降の活躍については皆さんご存知のとおり。
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by FHIROSE2 | 2004-08-07 14:05 | Music Man's music


1960年代半ばよりちょっと後の生まれ。50ウン年間に溜めこんだ「なにか」を吐きだす場。


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